- 「全部入りツアー」は存在しない。VIP以外は自力手配が必須
- 12/26時点の試算では、工夫次第で40万円以上の節約が可能
- 空席連動で価格は上昇中。「今の相場」を知ることが第一歩
「現地で『ニッポン!』コールを叫びたい。でも、ツアー代金を見て絶望した…」
そんなサポーターのために、この記事を書きました。
1997年、マレーシア・ジョホールバル。「野人」岡野選手がVゴールを決めたあの瞬間、私はゴール裏にいました。見知らぬおじさんと泣きながら抱き合ったあの熱狂は、私の人生の原点です。
こんにちは。旅行会社で24年間勤務し、現在は管理職としてツアー企画や手配の裏側を統括している「旅のプロ」であり、生涯現役サポーターの筆者です。
2026年ワールドカップは、北中米3ヶ国開催です。
はっきり言いますが、大手旅行会社の公式観戦ツアー(航空券・ホテル付き)は今回発売されません。
業界の仕組みを知る私からすれば、「自力手配(DIY)」と「プロへの見積もり」を組み合わせるだけで、想定される高額コストを大幅に削り、現実的な価格で現地に行くことが可能です。
2026年W杯 日本戦の試合日程と開催都市(確定版)
2025年12月に行われた組み合わせ抽選会の結果、日本代表(SAMURAI BLUE)は「グループF」に入り、オランダ、チュニジア、欧州予選勝者と同組になりました。
会場はアメリカの「ダラス」とメキシコの「モンテレイ」。広大な北中米大会の中では、奇跡的に移動距離が短い「恵まれた日程」です。
| 節 | 現地日時 | 日本時間 | 対戦カード | 会場 |
|---|---|---|---|---|
| 第1戦 | 6/14 (日) 15:00 | 6/15 (月) 05:00 | vs オランダ | ダラス |
| 第2戦 | 6/20 (土) 22:00 | 6/21 (日) 13:00 | vs チュニジア | モンテレイ |
| 第3戦 | 6/25 (木) 17:00 | 6/26 (金) 08:00 | vs 欧州PO勝者 | ダラス |
この日程の最大の勝ち筋は、「ベースキャンプをダラスに固定できる」ことです。
第1戦と第3戦が同じダラス開催のため、中日のモンテレイへは飛行機で片道約1時間半の遠征で済みます。つまり、「ダラス行きの往復航空券」さえ押さえれば、全試合観戦のハードルは一気に下がります。
これだけあれば観戦できる!「7つの必須準備リスト」
まずは以下の7つを確認してください。これさえあればスタジアムに立てます。
- パスポート:米国入国時、有効期限が90日以上残っていることを推奨。
- 観戦チケット:FIFA公式サイトでの抽選が最安。JTBでは「ホスピタリティ・プログラム(約22万円〜)」を販売中。
- 航空券:旅費の約6割を占めます。後述する「Surprice」や「Trip.com」で確保。
- ホテル:近くなるとホテル代金はどんどん上がっていく。早めの予約がおすすめ。
- ESTA / eTA:アメリカ入国にはESTA、カナダ経由ならeTAの事前申請が必須。
- クレジットカード:スタジアムは完全キャッシュレス。「タッチ決済」必須。
- 必須アプリ3選:「Uber(配車)」「Google翻訳」「FIFA公式アプリ」。
【12/26最新試算】ダラス観戦、結局いくらかかる?
今回のW杯では、従来の「航空券+ホテル+観戦券」がセットになった募集型企画旅行はありません。そのため、移動と宿の確保は「完全自力」となります。
12月26日時点のリアルな相場を調査しました。
対戦カード:第1戦 6月14日(日)vs オランダ
日程:2026年6月12日(金)日本発 〜 15日(月)現地発 〜 16日(火)日本着(3泊5日)
1. 航空券の価格差(Surprice調べ)
- 「便利」羽田発 アメリカン航空(直行便):468,610円
所要約13時間。直行便は体力温存に最適ですが、価格も高騰中。 - 「値段重視」成田発 日本航空(シカゴ乗り換え):292,650円
所要約20時間。安さを優先するなら経由便が現実的な落とし所です。
2. ホテルの価格(Trip.com調べ)
- シェラトン ダラス ホテル(3泊):110,483円
- オムニ ダラス ホテル(3泊):126,440円
ダラス中心部、安心の4つ星クラスの相場です。
上記のシミュレーションは「1名1室利用」の場合です。
アメリカのホテルは基本的に「1室あたりの料金(チャージ制)」なので、2名で泊まれば宿泊費は一人あたり実質半額になります。
ご友人とシェアする場合、もっと安く抑えられます!
(JAL経由便 + シェラトン3泊の場合。観戦チケット代は別途)
航空券もホテルも「ダイナミックプライシング(価格変動制)」で、混雑に伴い料金が上がります!
はっきり言って、早めに手配する人が一番得をします。「とりあえず様子見…」としている間に、値段はどんどん上がっていくので要注意です。
W杯観戦を最安・安全に実現する「3つの戦略」
ここからは、プロが推奨する「損をしないための予約手順」を解説します。
【1st】Trip.comで「航空券+ホテル」をDIYする
「とにかく手軽に、かつ安く」という方に最もおすすめなのが、Trip.comのセット予約です。
- 特徴:世界最大級のOTA(オンライン旅行会社)で、航空券とホテルをセットにすると特別割引が適用されます。
- プロの視点:24時間日本語サポートがあり、欠航等のトラブル時に窓口が一本化されると考えれば、バランスの良い選択です。
【2nd】航空券(サプライス)+ホテル(Trip.com)
「1円でも安く」という、旅慣れたサポーターへの推奨ルートです。
- 特徴:航空券を「Surprice(サプライス)」、ホテルを「Trip.com」で別々に予約。
- プロのアドバイス:サプライスは、あの大手HIS(エイチ・アイ・エス)が運営するサイトで安心感が違います。あまり有名ではありませんが、HIS系の航空券WEBサイトなので非常にクリーンです。頻繁に配布されるクーポンを使えば、さらに安く抑えられます。
「ここまで読んで、『正直ちょっと不安になった…』という方も多いと思います。」
それは正常です。W杯観戦は“慣れていない人ほど損をする構造”だからです。
「乗り継ぎで失敗したらどうしよう?」「英語ができないのに、トラブルが起きたら?」
そんな不安を抱えたまま、無理に自分で予約する必要はありません。
実は、「3つ目の選択肢」をオススメしています。
【3rd】プロの旅行会社で「見積もり(半自力)」を頼む
「完全個人手配は怖い」という、中間の悩みを持つ方に最適です。
- 特徴:「トラベルスタンダードジャパン」のようなオーダーメイド対応可能な旅行会社を活用します。
- メリット:一般の検索画面には出ない「無理のない乗り継ぎ」や、治安の良いエリアの宿をプロが提案してくれます。
見積もり依頼を利用する際は、以下の項目をコピーして要望欄に貼り付けると、より具体的で精度の高い回答が得られます。
・日数:
・人数:大人 名、子供 名
・航空会社希望:
・ホテル希望:
・送迎の希望:
・そのほか要望:
試合前後の時間を“一生の思い出”に変える現地オプション
W杯観戦において、実は一番「差」がつくのは試合以外の時間です。
- ✅ 日本語ガイド付きスタジアム周辺案内
- ✅ 現地サポーターとの交流バー巡り
- ✅ 空港からホテルへの安全な送迎
「移動と宿は安く済ませて、現地での体験や安心にお金をかける」。これが旅慣れた人のスタイルです。
空港からスタジアムへ。北中米のアクセス攻略法
移動は「Uber」一択。タクシーには注意が必要
アメリカやメキシコでは、流しのタクシーはトラブルのリスクがあります。絶対にUber(ウーバー)またはLyftを使ってください。
ジョホールバルから30年。なぜ現地に行くのか?
なぜ、地球の裏側へ行くのか。それは、テレビ画面では絶対に伝わらない「空気」があるからです。
1997年、ジョホールバルのスタジアムで味わった、あの地鳴りのような歓声と一体感。あれは、現場にいた人間にしか味わえない「人生の財産」です。2026年、その感動を味わうのはあなたです。
よくある質問(FAQ)
Q. 英語が全く話せなくても大丈夫ですか?
A. 大丈夫です。Google翻訳とUberがあれば言葉の壁はほぼ解消されます。
Q. 航空券はいつ買うのがベストですか?
A. 「今すぐ」です。組み合わせ確定後は、空席が減るにつれ高騰が加速します。
Q. 家族連れでも観戦できますか?
A. 可能です。ただし、移動の負担を減らすため「乗り継ぎ1回以内」に絞り、観戦の2日前には現地入りして体調を整えるプランを推奨します。
他にも安い選択肢はない?
予約済み・再予約検討中でもOK。
まとめ:準備は「今」から始まっている
W杯観戦は、試合当日のキックオフで始まるのではありません。予約の時点から、もう戦いは始まっています。
- まずは相場を知る 👉 Trip.comで検索
- 安さの限界に挑む 👉 Surprice(サプライス)をチェック
- 不安だからプロに頼る 👉 トラベルスタンダードジャパンで見積もり(推奨)
どの方法を選んでも構いません。
ただし、「迷っている間に価格が上がり、結局行けなくなる」のだけは避けてください。
まずは「自分が行くならいくらかかるのか?」を知ることから始めましょう。その小さな一歩が、あのスタジアムの熱狂へと繋がっています。