「親を旅行に連れて行きたい。でも、坂や階段で疲れさせたらどうしよう」「歩かないツアーって、本当にあるの?」
足腰が心配になってくると、旅行そのものをあきらめかけてしまいますよね。
結論から言うと、高齢者の歩かない旅行ツアーなら、クラブツーリズムの「大人のゆるり旅」が本命です。観光は一日3か所以内、休憩は約80〜90分ごとと、歩く量と休み方をツアーの約束として決めています。
2時間ほど歩けるなら同じ会社の「ゆったり旅」、JTB派には「旅物語プレミアム」。この3つの違いを、比較表で並べました。旅行会社に20年勤める立場から、選び方の決め手もお伝えします。
わかることは3つです。
- 「歩かない」ツアーを選ぶときに見るところ
- 大人のゆるり旅・ゆったり旅・旅物語プレミアムの違い
- 申し込む前に家族が確かめたい3つのこと

足が悪い親の旅行は、シニア向けのバスツアーがおすすめ
足が悪い方の旅行なら、移動をバスに任せられて、行程もゆっくり組まれたシニア向けのバスツアーがおすすめです。
バスなら、歩く量はぐっと減る
駅の乗り換えや、重い荷物を持っての移動。個人旅行で足腰に響くのは、観光地より、そこまでの道のりです。
バスツアーなら、観光地の近くまでバスが運んでくれます。ただ、まったく歩かないツアーはありません。乗り降り、食事会場への移動、宿の館内は、どのツアーでも歩きます。
だから選ぶときは「歩かない」という言葉より、1日にどれだけ歩くかを見るのが近道です。
旅先で親の体調が崩れたとき、本当に困るのは「その後の段取り」です。添乗員が付くコースなら、休憩を足す、予定を組み替えるといった判断を、旅行会社の側が引き受けます。個人旅行だと、その判断はあなた一人の肩に。
普通のツアーとシニア向けツアーの違い
同じバスツアーでも、普通のツアーとシニア向けツアーでは、1日の過ごし方がまるで違います。
| 気になる点 | 普通のツアー | シニア向けツアー |
|---|---|---|
| 1日の観光 | 回る場所が多く、集合時間に追われがち | 観光地を絞り、1か所でゆっくり |
| バス | 大型バスで満席になりやすく、トイレ休憩も待ちがち | 少人数・隣席なし・トイレ付きバス |
| 食事と部屋 | 座敷や布団のことも | 椅子席・ベッドを約束するコースがある |
| 出発と帰着 | 早朝出発・夜の帰着も多い | 「ゆっくり出発・早めの帰着」の区分がある |
普通のツアーは、たくさん回れるぶん、足腰には忙しい行程になりがち。オリコン顧客満足度の口コミにも、「あまり訪れなくても良いような場所も、行程に含まれていることがある」という声がありました。
座敷の食事で立ち座りがつらい、朝7時台の集合がきつい。そんな小さな負担が、旅の疲れを大きくします。
選ぶなら、最初からシニア向けに作られたツアーです。
高齢者の歩かない旅行ツアーおすすめ3選を比較
高齢者の歩かない旅行ツアーで、歩く量や休憩まで約束しているおすすめは、次の3つです。
| 比べる点 | 大人のゆるり旅 | ゆったり旅 | 旅物語プレミアム |
|---|---|---|---|
| 会社 | クラブツーリズム | クラブツーリズム | JTB |
| 歩く量 | 観光は1日3か所以内 | 長く歩かないタイプは歩行2時間以内 | バス移動が中心 |
| 休憩 | 約80〜90分ごと・トイレ付きバス | 90分に1回 | ― |
| 人数 | 10〜28名 | 最大36名 | 隣席なし最大30名 |
| 食事・宿 | 椅子席・ベッドを確約 | 宿で17時間以上(滞在タイプ) | 宿に17時頃着 |
| 向いている人 | 杖・階段が心配な方 | 2時間ほど歩ける方 | 移動を楽にしたい・料金重視 |
迷ったら、こう選んでください。
- 杖を使う、階段が心配なら「大人のゆるり旅」
- 2時間ほど歩けて、行き先を広く選びたいなら「ゆったり旅」
- 移動のゆとりがあれば十分で、料金も気になるなら旅物語プレミアム
足腰の不安が大きいほど、ゆるり旅。歩く量そのものを数字で約束しているのは、3つの中でゆるり旅だけです。
ほかの旅行会社にもある?(2026年10月の調べ)
2026年10月に、日本旅行・近畿日本ツーリスト・読売旅行・HIS・名鉄観光の公式サイトを確かめました。ゆとりのある上級ツアーや、50歳以上の会員向けのツアーはあります。
ただ、歩く量や休憩の間隔まで約束した、シニア向けの国内特集は見当たりませんでした。なお、近畿日本ツーリストのグループの個人旅行は、2026年4月からクラブツーリズムに集約されています。(参照:トラベルボイス「個人旅行はクラブツーリズムへ集約」)
※HISには、車いすの方向けの海外旅行の窓口があります。
つまり、国内で「歩かない」を約束まで落とし込んだツアーを探すなら、この3つから選べば十分です。
\出発地と日程で、ゆるり旅の一覧を見てみるだけでも/
高齢者の歩かない旅行ツアーの本命は「大人のゆるり旅」
大人のゆるり旅は、歩く量・休憩・食事・部屋まで約束した、高齢者の歩かない旅行に向けたツアーです。参加者の6割以上が75歳以上で、一人参加も約2割います。
少人数のトイレ付きバスで、休憩は約80〜90分ごと
バス1台は10〜28名。大型バスの満席ツアーと比べると、乗り降りも、休憩のトイレも待たずに済みます。バスは、他のグループの方との相席もありません。
お手洗い付きのバスで、休憩もこまめに取ります。「トイレが近いから」と旅行をためらっていた方には、何より効くお約束です。車高が下がるバスか踏み台を使うので、乗り降りの段差も小さくなります。
補足トイレ付きバスは、一部のエリア・区間、タクシー・ハイヤーの利用時は対象外です。
観光は、ゆったり度「中」で1日3か所以内。「大」ならさらに少なめで、杖を使う方も参加できます。連泊が中心なので、毎朝荷物をまとめる手間も減ります。(参照:公式サイト「大人のゆるり旅のお約束」)
食事は椅子席、部屋はベッド
ひざや腰が痛い方にとって、座敷の食事と布団からの立ち上がりは、想像以上につらいもの。
ゆるり旅は、食事は椅子・テーブル席、部屋はベッドを約束しています(中座椅子やローベッドのこともあります)。

宿は、クラブツーリズムがAランク以上と評価する施設から。食物アレルギーにも、追加費用なしで、できる範囲で対応してくれます。
介護資格をもつスタッフと、75歳以上限定の日
コースによっては、添乗員に加えて「カインドリースタッフ」が同行します。一定の介護資格をもつスタッフで、参加者全体に目を配る役目です。出発前には、添乗員から「安心コール」も入ります。
注意ゆるり旅は介護付きツアーではありません。着替えや入浴の介助が必要なら、バリアフリー旅行の専門窓口のほうが合います。逆に「身の回りのことは自分でできる。ただ、長く歩くのが不安」という方には、ちょうどいい手厚さです。
75歳以上限定の出発日もあります。参加者のうちお一人が75歳以上なら参加できるので、子ども世代と80代の親、という組み合わせでも申し込めます。同世代ばかりなので、ペースが合わずに気をつかう心配も少なめです。
たとえば「瀬戸内3日間」
2026年10月時点で掲載されているコースの一例が、関東発の「瀬戸内で叶える、海外気分のやさしい旅 3日間」です。
ゆったり度は「中」。観光は一日3か所までで、休憩は約90分に一回。
バスで行くツアーのほか、列車・飛行機で行くツアーや、日帰りの列車の旅もあります。「まずは1日だけ試したい」という方は、日帰りから始めるのも手です。
料金は、少人数のバスと評価の高い宿のぶん、普通のツアーより高めです。それでも、旅の途中で疲れ切ってしまう心配が減るなら、十分に見合う差だと私は考えます。
\椅子席・ベッド・トイレ付きバスの約束つき。出発地から探せます/
\まずは候補日を2〜3つ選ぶところから/
2時間ほど歩けるなら「ゆったり旅」
ゆったり旅は、2時間ほどなら歩ける方が、行き先を広く選びたいときに合うクラブツーリズムのシリーズです。
長く歩かないタイプは、1日平均の歩行2時間以内
ゆったり旅のお約束は、タイプ別に決まっています。
- 長く歩かないタイプ:1日平均の歩行は2時間以内
- ゆったり観光タイプ:メインの観光地の見学時間は、通常のコースの1.5倍以上
- ゆったり滞在タイプ:宿での滞在は17時間以上
どのタイプも、休憩は90分に一回、バスは最大36名が目安です。

足腰が心配なら、選ぶのは「長く歩かない」タイプ。2時間というと長く感じますが、1日の合計です。観光地をゆっくり見て回るくらいなら、収まる方が多い時間です。
全国7エリアから出発。日帰りや関西発も選べる
出発地は、関東・中部東海・関西・北海道・東北・中国四国・九州の7エリア。地方にお住まいでも、近くの出発地から探しやすいのが強みです。
日帰りのツアーもあるので、泊まりの旅行に不安があるなら、近場の日帰りで体力を確かめてから決めても遅くありません。
ゆるり旅ほど細かい約束はないぶん、選べるコースの幅が広いのがゆったり旅。2時間ほど歩ける今のうちに、行きたい場所を選ぶならこちらです。

JTBの高齢者向けツアーなら「旅物語プレミアム」
JTBの高齢者向けツアーで選ぶなら、移動と宿のゆとりに力を入れた「旅物語プレミアム」です。シニア向けとは名乗っていませんが、足腰に不安のある方に効く条件がそろっています。
隣席なしの少人数バスで、宿には17時頃に着く
旅物語プレミアムの決め手は、隣に他のグループが座らないバスで、宿には17時頃に着くこと。バスは最大30名で、お一人の参加なら2席を使えます。

夕方早めに宿へ入れると、夕食前にひと休みでき、翌日に疲れを残しにくくなります。宿も、お客様の評価が高いところから選んだ旅館・ホテルです。
東海道・山陽新幹線はグリーン車。添乗員が出発から到着まで付き、バスガイドも同行します(一部例外あり)。
料金は、ゆるり旅より比較的お手頃というのが私の見立てです。歩く量の約束まではいらない。でも、移動はゆったりしたい。そんな方には、ちょうどいい選択肢です。
首都圏・中部・関西・北海道から出発できる
出発地は首都圏・中部・関西・北海道。行き先は、北海道から沖縄までそろっています。10名から出発が決まるので、少人数のゆとりも保たれたまま。
一覧は、出発地ごとのページから見られます。旅物語そのものの評判が気になる方は、JTB旅物語の口コミもどうぞ。
足腰に配慮した「おからだ想いのゆとりある旅」もある
旅物語には、もう一つ、体への負担を減らすことに絞った特集があります。プレミアムより、さらに「歩かない」側に寄せた旅です。
- 宿:ベッドの部屋(ローベッドを含む)と、温泉大浴場つきの宿
- 夕食:宿のスタッフが席まで料理を運ぶ
- 観光:長く歩かない観光地を選び、バスを降りてからの歩行時間にも配慮
- 時間:朝の混雑を避けて、出発は9時以降、宿には16時30分頃までが目安
- バス:約90分に1回のトイレ休憩、他のお客様との隣席なし
お約束の中身は、シニア向けツアーとしてかなり手厚い内容です。(参照:公式サイト「おからだ想いのゆとりある旅」)
2026年10月時点のコースは、北海道発が3つ、関西発が1つ。首都圏・中部・九州発は0です。正直、いまは選べる人が限られます。
ただ、「足腰が心配でも、旅をあきらめない」という考え方は、シニア向けツアーの理想に近いと私は思います。コースが増えたら、いちばん頼れる選択肢になるはず。期待して見守りたい特集です。
出発地が合うなら、この旅も候補に。合わない場合は、プレミアムかゆるり旅から選べば大丈夫です。
申し込む前に家族が確かめたい3つのこと
申し込む前に家族が確かめるのは、3つだけで十分です。
- 今の歩ける時間を、正直に見積もる
- コースごとのお約束の表示を見る
- キャンセル料がかかる日を知っておく
まず、歩ける時間。「昔は歩けた」ではなく、今、休まずに歩ける時間で考えます。近所の散歩で20〜30分がきついなら、ゆるり旅のゆったり度「大」が安心です。
確認次に、お約束の表示。同じゆるり旅でも、ゆったり度や添乗員の体制はコースごとに違います。申し込む前に、ツアーページのお約束の欄を一度だけ見ておきましょう。
最後に、キャンセル料。体調が読みにくい年代ほど、いつから料金がかかるかを知っておくと、気持ちがぐっと楽になります。詳しくはクラブツーリズムのキャンセル料で整理しています。
段取りとしては、一覧で候補日を2〜3つに絞ってから、親に「どれがいい?」と聞くのがスムーズ。全部を決めてから見せるより、本人も行く気になりやすくなります。
高齢者の歩かない旅行ツアーでよくある質問
高齢者の歩かない旅行ツアーでよく聞かれる質問に、短くお答えします。
- 高齢者が歩かない旅行に向いているツアーは?
-
クラブツーリズムの「大人のゆるり旅」を第一候補に。歩く時間に少し余裕があればゆったり旅、JTBで探すならプレミアムも候補になります。
- 高齢者が歩かない旅行におすすめの行き先は?
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行き先より、移動の少なさで選ぶのがおすすめです。同じ宿に連泊する温泉地のコースなら、荷物の出し入れも移動も減ります。
- 高齢者が歩かないで旅行するにはどうしたらいいですか?
-
家族が先に、歩く量を約束しているツアーを選んでおくのが近道です。一覧で候補を2〜3つに絞り、本人に選んでもらいます。
- 高齢者が歩かないで行ける北海道の旅行ツアーは?
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3つとも、北海道方面のコースがあります。北海道にお住まいなら、旅物語の「おからだ想いのゆとりある旅」も北海道発のコースから選べます。
- 高齢者が歩かないで行ける関東のおすすめ旅行は?
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首都圏から出るなら、ゆるり旅のバスのツアーが近場で選びやすいです。旅物語プレミアムにも、関東方面のコースがあります。
- 足が悪い人が旅行に行くのにおすすめの方法は?
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バスで観光地の近くまで運んでもらえるツアーがおすすめです。ゆるり旅には、ハイヤーで回る旅もあります。
- 80代の旅行におすすめツアーはありますか?
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80代なら、ゆるり旅のゆったり度「大」か、カインドリースタッフ同行のコースがおすすめです。参加者の6割以上が75歳以上なので、年齢で浮く心配もありません。
- 75歳になったら旅行に行くならどこがおすすめですか?
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ゆるり旅の75歳以上限定の出発日がおすすめです。同世代だけで、ペースを合わせやすくなります。
- 高齢者が歩かない日帰りバスツアーのおすすめは?
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ゆったり旅には日帰りのツアーがあり、ゆるり旅にも日帰りの列車の旅があります。泊まりの前に、体力を試すのにも向いています。
- 高齢者が旅行に行く費用はいくらですか?
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ゆるり旅なら、お一人16万〜19万円台が一例です(上で紹介した瀬戸内の3日間)。最新の料金は、各ツアーページで確かめてください。
- JTBのシニア向けツアーは?
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出発地を選びやすいのは「旅物語プレミアム」。足腰への配慮に絞った「おからだ想いのゆとりある旅」もありますが、今は北海道発と関西発だけです。
まとめ:高齢者の歩かない旅行ツアーは、行きたいと思ったときが行きどき
高齢者の歩かない旅行ツアーを選ぶなら、歩く量と休憩まで約束した「大人のゆるり旅」が本命です。
杖や階段が心配ならゆるり旅、1日2時間の歩行に収まるならゆったり旅、JTBで移動のゆとりを重視するなら旅物語プレミアム。ご家族の状態に合わせて、1つ選べば大丈夫です。
一人で参加したいという方は、クラブツーリズムで一人旅も参考にしてください。
年齢を重ねると、体力や足腰は少しずつ変わっていきます。「また今度」と延ばすより、行きたいと思ったときが行きどき。元気なうちの一回を、無理のないツアーで叶えてください。
\行けるうちの一回を。ネット予約ならPASS会員の割引も/
\出発地を選ぶだけで、ツアーの一覧が出ます/
